2016年5月31日火曜日

(ちょっとまじめな)実習報告 〜血液内科〜

こんにちは、ANU派遣学生5-6月組のAです。早いもので派遣期間も折り返し地点となりました。病院と住んでいるところが近いって素晴らしいです。

さて、今回はローテの終わった血液内科実習について書かせていただきます。
私自身のスケジュールは下記のようになっていました。


午前
午後
Mon
Medical Hand-over
週末当番からの引き継ぎ、チーム回診
13時頃〜18時頃 外来見学(Dr.C
Tue
病棟orミーティング(M&Mなど)
9:00 血液内科全体カンファ
その後チーム回診
13:00 勉強会、病理カンファなど
病棟実習
Wed
Medical Handover,
チーム回診
病棟実習
12:30 Grand Round
病棟実習
手技(骨髄生検)見学なども
Thu
9:00 Calvary Hospital(関連病院)での外来見学
病棟実習
Fri
Medical Handover
チーム回診
病棟実習
病棟実習
15:30 週末当番の上級医への引き継ぎ

medical hand-over: 8時〜。前日の夜間帯に救急外来を受診された患者さんの症例紹介。研修医や結果入院に至った診療科の上級医が参加。
Grand Round: 実習中の学生や若手ドクターを対象に、約40分ずつ、2人の上級医の先生が勉強になる症例の紹介(前半)や疾患や薬剤の使用についてなど臨床に関連した授業(後半)を行います。

・朝はだいたい8時〜8時半頃にスタート
回診の際には、カルテの記載をさせていただくことも。
・学生でも手技を積極的に行うことができる。(静脈採血や点滴ルートの確保など、病棟にいてチャンスが巡ってくると研修医の先生が「やってみる?」と声をかけてくださる。)
 
こちらで実習を開始して印象に残ったことが幾つかあります。

1) オーストラリア、特にキャンベラは多国籍
 調べたところによると、オーストラリアは他の先進国と比較して国外から留学している(国籍がオーストラリアではない)学生の割合が多いそうです。病院内でも、東アジア系(主に中国系)、東南アジア系、インド系、アラブ系など多岐にわたる人種が集っています。医療スタッフだけでなく患者さんも様々な訛りの英語を話す人がいらっしゃるため聞き取るのに苦労する場面も多々ありますが、それはそれで勉強になります。

2) 紙カルテ
 実習が始まって病棟に入り、驚いたのは記録システムです。外来は電子カルテシステムになっているのですが、病棟内はICUなど多科が関与する場所を除き、ほとんどが紙カルテシステムとなっています。薬剤のオーダーや生物検体の検査・血液製剤のオーダーも紙ベースとなっています。(写真は紙カルテの記載イメージです。実在患者の情報ではありません。)

ICUにいらした患者さんも一般病棟に降りてくると、紙カルテに移行し、それまでのICUカルテはプリントアウトされて同じフォルダーにはさまれます。
正直なところ、電子カルテの方がシステムとしては圧倒的に効率が良いと思いました。薬のオーダーが正しく行われなかった事例、投与ミスが起こった事例もあったそうですし、人によっては字が読み難い(本当に読めない…!)という点、何人ものスタッフが一人の患者さんの診察や処置等を行う状況ではフォルダーの所在が不明になってしまう点(毎回患者さんのファイルを探して病棟を歩き回りました^^;)など不便だなと思う場面が多々ありました。

3) “No worries”
皆様は”thank you”とか”sorry”などと言われたらどのように返しますか?日本の教科書的には前者に対しては”you’re welcome“、後者に対しては”no problem,” “don’t worry”などと返すのが定番なのではないでしょうか。こちらに来て先生方やスタッフの方、患者さんなどと会話をしていると、大概”no worries”という言葉が返ってきます。イギリスもそうなのかどうなのかわかりませんが、ちょっとしたフレーズの違いを見つけるとなんとなく面白いです。

しり切れとんぼのようになりましたが

先生方の温かいご配慮もあり、戸惑うことはありましたが滞りなく血液内科での実習を終えることができました。
今週からは神経内科です。頑張ります。

A

2016年5月28日土曜日

Until every child is well

どうも、KTです!
ボストンでの一ヶ月目の実習が終わりました。
本当は3月にもイギリスのグラスゴー大学で臨床実習をしてたんですけど、ブログを書きませんでした…すみません。



今回はハーバードでの実習の様子を簡単に紹介したいと思います。

ひとくちにハーバード医学校での実習といっても、病院と科によって実習内容が大きく異なるので、これはあくまで一例にすぎないのですが…






5月は、Boston Children's Hospital (BCH) の Child Neurology を回りました。

スケジュールは以下の通りです。

*1st-2nd week:てんかんチーム
難治性てんかんをひたすらEEGモニタリング!毎日新患を担当するハードな2週間
*3rd week:入院患者チーム
てんかん、てんかん疑い、脳炎、頭痛など。患者さんが少なめな分、ティーチングが豊富
*4th week:コンサルトチーム
多彩な症例が他科からやってくる。時に救急の新患も1人で診ることができる。

基本的には、患者さんを担当して、朝夕の回診でプレゼンをしたりカルテを書いたりします。

個人的には、プレゼンテーション能力を上げることがこの実習の目標のひとつだったので、発表の機会が結構あったのは嬉しかったです。
大学のカンファみたいなフルプレゼンをするというよりも、必要な情報をうまく整理して簡潔にまとめるプレゼンが求められていたので、なかなかチャレンジングでした!

また第3,4週あたりになってくると、診断のついていない頭痛や発作を見られるので、アセスメント&プランにも熱がこもってきました。
この他に、毎日昼にカンファやレクチャーがあり(食事付き!)、時折てんかんの手術見学や学外の先生の講義などがありました。

ハーバードの学生や海外からの学生もいて、先生方も頻繁にローテーションしているので、毎週毎日色々な人と交流ができたことも、この科を回れて良かったなぁと思う点です。


"Until every child is well"というのはBCHの標語ですが、1869年からの古い歴史を持ち、全米ならぬ世界でもトップクラスの小児病院は、最先端の医療を行っているというだけでなく、患者数および満足度そして教育・研究など本当にあらゆる面で小児の医療に大きく貢献しているのだと深く実感しました。
海外からの患者さんも多く、私もロシア語やスペイン語しか話せない患者さんに対して通訳を介して問診をする機会があり、とても新鮮でした笑

以上、簡単な実習報告でした。
ではまた!


Boston Children's Hospital
http://www.childrenshospital.org/



2016年5月20日金曜日

おわり。


ごぶさたしております。
ANU4・5月組です!

























本日5/20をもって



















2ヶ月に渡る実習が終了しました.....!!!!












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実習開始当初はなんだか怖く感じた病院も、今では見知らぬおばあちゃんに道を聞かれて答えられるくらいに身近なものとなりました(笑)









この2ヶ月間、たくさんの方々のお力添えを頂き、どうにか最終日を迎えられたことを大変うれしく思います。御指導いただいた先生方、実習に協力してくださった病院の皆様、患者さん、ANUの友人たち、寮でお世話になったスタッフのみなさま、寮生のみんな....本当に多くの方に支えられた実習であったと改めて実感しました。すべての方々に感謝申し上げます。








   












本当にありがとうございました。















































ここからは一週間ほど遅めのGWを頂き、もう少しオーストラリアを楽しんでから帰るつもりです。帰国後2クール目の実習報告等アップしていく予定ですので、そちらもチェックしていただけると嬉しいです。また、5・6月組のブログもぜひお楽しみに!!


まの・よしだ

医師になるまで in Australia

こんにちは、56月組のAです。
私ともう一人、5月組の学生はGWの始まりとともにCanberraに到着し、52日からCanberra Hospitalでの実習を開始しました。着いてからは4月組の2人にたくさん助けられました。ありがとう! そんな二人もそろそろ帰国です。寂しくなります。。
(病院外観)


さて、私は、5月は血液内科、6月は神経内科で実習をさせていただく予定となっています。大学病院で回らない2科をローテートさせていただけるのは本当にありがたいことです。血液内科の実習内容や先生方の様子等についてはまた別途報告していけたらと思います。
実習を開始した週は配属されたチームの患者さんが少なかったため、若手の先生方とお話しする時間が多くあり、こちらの医療システム等について色々とお聞きしたので私の理解している範囲で書いていこうと思います。

現行の日本のシステムでは、
高校→医学部(6年間)+国試→初期研修医(2年)→後期研修医(専門課程)→専門医
という形がメインだと思います。(新専門医制度で変わった点もありそうですが


一方、オーストラリアでは、下記のような流れになっているそうです。

参考:https://ama.com.au/careers/becoming-a-doctor
(話を聞いているうちに混乱してきたのでGoogle先生に聞いてみました。)

医学部には高校からストレートに医学部に行く人(undergraduate)と、一般大学で34年勉強してから医学部に入る人(graduate)の2パターンがあります。学校によってどちらをundergraduateの入学を受け入れているかどうかは異なるようです。ちなみにANUの医学部はgraduateのみを受け入れています。
また、卒業試験はありますが、国家試験のような全国統一の試験はないそうです。(うらやましい・・)

卒業後は、まず1年のInternship(初期研修医に相当?)と1年以上のresidencyがあります。Internの間は決まった期間いろいろな診療科をローテートします。Residencyは、人によって期間が異なっており、専門医取得課程に応募してそれが承認されるまでのようです。どの診療科をどれくらいローテートするかは個人によって違うような印象を受けました。

専門医の課程は主にGP(総合診療医、家庭医に相当?)、Medicine(内科)、Surgery(外科)にわかれています。こちらの医療システムでは、どの患者さんもそれぞれ担当のGPがいて、専門外来(内科or外科)へはGPからの紹介やフォローアップという形での受診となっていることが特徴です。各入院患者さんの病室にも、患者さんの名前、GPの名前、入院している診療科での外来担当医の名前が書いてあることが印象的でした。
Registrarになってからは、一定期間の研修を行ったのち、試験を受けてAdvanced Trainee(略称AT)に、さらに専門医試験を受けるとconsultantという扱いになります。内科に関してではありますが、ATconsultantは各診療科の専門医として現場で働いています。
病棟は主にregistrarresidentinternから構成されるチームで回されており、consultantの先生が大きな決定は下す形になっていました。

つらつらと書いてきましたが、専門医として働くまでの課程や医療システムそのものの違いなどを実際に見たり聞いたりしながら比較してみると結構おもしろいなと思いました。

ちなみに一番うらやましいと思ったのは、日中勤務の医師の勤務時間が16:30までで、多くの先生が17時頃には「また明日ね!」と言いながら帰っている点です。QOL高い・・



A.